従来のパートタイム労働法に労働契約法の一部が加わって『パートタイム・有期雇用労働法』に改正され、2021年4月1日からは中小企業にも適用されています。
非正規労働者の雇用環境を改善するためのさまざまな定めがあるなか、同法第13条では、すべてのパートタイム労働者と有期雇用労働者に対して、正社員への転換の推進措置を講じることが義務づけられています。(『通常の労働者への転換義務』)
今回は、実際に事業者はどのような措置を講じればよいのか、具体的な内容について解説します。
※パートタイム労働者とは、名称の如何を問わず同一の事業所で働く正社員(無期雇用フル
タイム労働者)に比べて、1週間の所定労働時間の短い労働者のこと
※有期雇用労働者とは、事業主と期間の定めのある労働契約をしている労働者のこと
※通常の労働者とは、社会通念に従って通常と判断される労働者と定義されており、いわゆ
る正社員のような無期雇用のフルタイム労働者のこと
【正社員に転換するための措置の具体的内容】
事業者は(1)〜(4)のいずれか、あるいはその他の措置を講じなければいけません。
(1)通常の労働者を募集する場合、その募集内容をすでに雇っているパートタイム・有期
雇用労働者に周知する
会社が正社員の募集を行う場合に、社内の提示や回覧などで、業務内容や賃金などの募集内容をパートタイム労働者や有期雇用労働者に周知するという措置です。
なお、義務化されているのは『周知』についてのみで、実際に応募したかや、採用するかは問われません。
(2)通常の労働者のポストを社内公募する場合、すでに雇っているパートタイム・有期雇
用労働者にも応募する機会を与える
(3)パートタイム・有期雇用労働者が通常の労働者へ転換するための試験制度を設ける
(4)その他通常の労働者への転換を推進するための措置
これらの措置を講じる際には、事業所内の掲示板に提示をしたり、社内メールで告知するなど、措置の内容をパートタイム労働者や有期雇用労働者に随時周知する必要があります。
詳しくはミドリ社労士事務所までお問い合わせください。